戦友が死んだ

あいつと出会ったのは、僕がまだ19歳の頃だった。それは7月の蒸しかえるような夏のなか、ひと際冷房がきいた大型電気量販店の中でのことだった。あいつと僕が初めて対面したとき、あいつはこれ以上にないぐらいさわやかな表情で笑っていたことを僕は昨日のことのように覚えている。僕は一目みたとたん(これは大げさな表現ではない文字どおり一目みたときからだった)あいつに好感を持った。それから、僕とあいつが契約を結び深い関係をもつには時間はかからなかった。僕とあいつで作り出した作品は数え切れない。時には3日3晩徹夜し、泣きながら作品づくりをしたものだった。徹夜のあとは二人でちびちびビールを飲んだっけ。

今日の14時11分、あいつは死んだ。

あいつと出会った時と同じような夏の太陽の下で安らかな笑顔をわずかに口元に残しながら息をひきとった。ぼくは怒った。あいつに対して怒った。あいつを死に追いやったあらゆるものに怒った。そしてあいつを救ってるやることができなかった自分に怒った。

今日の14時11分、僕のパソコンが故障した。