西岡利晃

ぼくがまだ高校生のときに、深夜で「ドラマチックボクシング」か「ダイナミックボクシング」(名前忘れた)というボクシング番組があった。読売テレビのアナウンサーが出てたので、たぶん関西しかやってなかったとおもうが、トミーズ雅と辰吉が国内のボクシングの試合を中心にトークするという内容だった。ぼくは辰吉が好きだったのでその番組をよくみてたのだが、当時、番組でよくフィーチャーされてたのが若き日の西岡利晃だった。華麗なボクシングスタイルと端正なマスクでボクシング界期待の天才サウスポーとしてよく番組で紹介されていた。西岡自身も番組に出演することもあって辰吉としゃべってたりしてたのを記憶してる。

昨日、たまたまチャンネルをパチパチかえてたらWBCスーパーバンタム級暫定王者決定戦、西岡利晃対ナパーポン・ギャットティサックチョークチャイ(タイ)がやっていた。ぼくはスポーツではサッカーの次にボクシングをみるのが好きなのだが、とても熱心なファンとはいえず、深夜にボクシング番組がやってたらついでにみようかという感じで実際、西岡の試合をみるのは本当に高校生以来だった。10年以上たっている。はじめテレビに映ってる日本人ボクサーが西岡だとは気づかなかった。ウィラポンに4回負けたのは知っていたが。顔をみて西岡が歩んできた苦労やらがうかがえた。

ラウンドは7回が過ぎていて、途中経過の判定は西岡がリード。8回以降はこれまた泥臭い打ち合い。西岡は何度かスリップでダウン。もうぼくの心臓はバクバク。終盤ナパーポンに減点で断然有利になったが、西岡は最後まで果敢に打ち合いに挑んだ。

勝利者インタビューがまたよかった。2歳の娘さんの「パパ世界チャンピオンおめでとう」で西岡の破顔。あの生意気そうな若者はすっかりお父さんになっていた。西岡がはじめに口にしたのは感謝の言葉だった。そして最後に「身体が続くかぎり頑張ります」

ひさしぶりにボクシングの絵が描きたくなった。高校のときにらくがきレベルで一番描いてたのはボクシングの絵で、あの脂肪が削ぎ落とされた鍛え抜かれた筋と骨だけの身体を描くのが好きだった。今週はボクシング雑誌を買おうとおもう。