ぼくには2つ上の兄がいるんだけど、小さい頃は兄にこびりついて遊んでました。中学生になる頃は音楽、映画、漫画、お笑い、小説などほとんど兄経由からで、何から何まで影響をうけたのでした。なので、世界中でぼくと一番、趣向が近い人間は兄だったりします。(ちなみに、趣向という意味では奥さんはかなり遠い・・・)ただ、ぼくと兄とは決定的に違うところがあって、ぼくは小さい頃からともだちがほんっと少なかったのですが(今もそうですが)、兄はとてもとても人望のある人間でした。いつも友達がたくさんいて、それでいてクラスに1人はいるオモローな人気者で、みんな(友達や家族)を笑かすことがことのほか得意で、しかもまるっきし勉強ができなくて、そこがまた憎めなくて、いつも自然と周りに人が寄ってくるような人でした。兄が結婚する際、兄の職場の人達が金のない兄の為、会場やら司会やらケーキやら人集めやらを全部仕切ってやってくれました。兄は1円もお金をかけず式を挙げました。式は総勢200人集まり(それだけ集めても後で「何で俺を呼んでくれへんかったんや」と真剣に怒る人もいた)盛大なもので、それはそれは素晴らしい式でした。
兄から言われて忘れられない言葉があります。ぼくが高校生のときに兄とその友人とで三国志のゲームの話をしてたときでした。三国志の登場人物の能力パラメータに「魅力」という項目があって(1から100の数値でその人物の人間的魅力をあらわす)。そのとき、ぼくは兄から「お前は魅力70はある。お前は結構おもろい」といわれたのです。ぼくは高校でもともだちが全然いなくて自分に全く自信が持てない時期だったのでこの言葉はとても意外でした「そうか。俺は魅力70もあるんだ」とおもいました。うれしかったです。兄から言われたのも大きかったです。今でもぼくは唐突にやってくる「ネガチブ死にたい病」に対して、この兄に言われた言葉を箱から取り出してきては自分の価値を信じる力としています。んで、ぼくが結局何が言いたいかというと「うちの兄貴すごいやろ」と。うん、おもいっきり自慢してみたかったんです。誇りに思っとるんです。要は兄貴のことが好きなんです。